【STAFF BIKE】柳サイクル QUIET|ひっそり細道を彷徨う“ピュア”ロード。
2026.08.28 BLOG , eirin丸太町店 , グラベルロード , サイクルハテナ(eirin丸太町店別館) , ツーリングバイク , ロードバイク , 柳サイクル入荷情報・カスタム・ライド etc. 最新情報はInstagramで毎日更新中!
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【STAFF BIKE】柳サイクル QUIET|ひっそり細道を彷徨う“ピュア”ロード。
やっとご紹介ができます、私カドタのニューバイク。
千葉のハンドメイドビルダー・柳サイクルの手掛けたリムブレーキツアラー/オールロード・QUIET。
ロード、グラベル、MTB…
一通り遊んで、いま、私が求めているのは、誰に求められるでもない、自分のためだけのサイクリング。
考えてみれば世の中のほとんどのスポーツバイクはマッチョな競技志向に基づくものであり、
自由にサイクリングを楽しむことができる予感がしたグラベルバイクですら、UCIレースが始まってマッチョイズムの波に飲み込まれかけている現状。
初めてロードバイクを手にした時の初期衝動、どこまでもいけそうなあの感じ、
忘れ去られた峠道へと彷徨っていく、“ひっそりサイクリング”に没頭していた頃の気持ちを、もう一度取り戻したくなったのです。
QUIETは、まさにそんな内省的なサイクリングのためのバイク。
ロードバイクの軽快感をベースに、ダートにも躊躇いなく、だけどなんでもかんでも欲張らず、できることだけ。
シンプルで、苔むしたガードレールに立てかけたとき、ニヤリとできる美しささえあればよし。
競技じゃなくサイクリングのため、グラベルを遊びつくす!というよりただ純粋に道と向き合うための一台。
私にとっては、これこそが究極の“ピュア”ロードバイクなのです。
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– 目 次 –
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柳サイクル QUIET|自分だけの“ひっそり”サイクリングのために

角田のひっそり自転車ヒストリー
まずは、いまなぜ、QUIETをオーダーするに至ったかというお話にお付き合いください。
そこには私の自転車ヒストリーにおける原体験が深く関わっています。
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HONKY TONK、復活しないかな~
私にとって初めてのスポーツバイク・KONA HONKY TONK、そのひと漕ぎめの高揚は今でも鮮明に覚えています。
「これでどこまでもいける!!」
ありきたりですが、本当にそう思えるようなあのワクワク。

しばらくはひたすら通勤・街乗りオンリーでしたが、先輩に連れられて行った花脊峠で初めてのヒルクライムを経験。
4回くらい足が攣って惨敗したのが悔しくて、そこから時間さえあれば峠に通うようになりました。
とはいってもローディーたちが集う有名ルートを走ることにはどうも前向きになれません。
当時は弱虫ペダルの影響か、ロードバイク全盛期。
カーボンロードでトレインを組み、颯爽と駆けていく方々を横目には見つつ、自転車との向き合い方が、何か根本的に自分とは違うような気がしていました。
私が求めていたのは、“スポーツ”としてのサイクリングではなく、もっと内省的な何か、なのかもしれません。

自分ひとりで黙々と走れるルートを探すうちに出会ったのが「北摂ひっそり(現・路面と勾配)」というサイト。
そこで淡々と紹介され続ける、普通に生きていたらまず縁のないようなひっそりルートたちをなぞるのがルーティンとなっていきます。
次第に、よりディープな世界を求めて、林道に出入りするようになり、グラベルライドへと傾倒していくわけですが、原体験としてあるのは、“ひっそり”、なんです。
誰かと競うでもなく、ただひとりペダルを回すあの時間。
未知の道で彷徨する、甘酸っぱい寂しさ。
なにやってんだろうかと何度も思いながら、ただ前に進むための苦行に耐える無目的さ。
登坂中なぜかふと頭をよぎる、いま全然関係ない思い出への感傷。
周りの風景とペダリングが噛み合った瞬間、突如押し寄せる謎の多幸感。
誰かにシェアしたいけどしたくない、自分のためだけのサイクリング。

最近は長距離を乗り込むことも少なくなりましたし、京都のフィールドの豊かさに甘え、短時間で高揚感が味わえるグラベルライドに偏りがち。
改めて今、ただ、道、そして自分自身と向き合うための“ひっそりサイクリング”がしたい。
じゃないと、きっと自分は大事な何かをこのまま忘れていきそうな気がするから。
そのために必要なのは、軽快だけど、エアロ効果抜群のカーボンロードではなく、
地道も走りたいけれど、過剰なグラベル走破性は必要なく。
ただシンプルに道を走る道具。
それこそが、この柳サイクル・QUIETです。
柳サイクルについて|リアルサイクリング、リアルバイク

非・予定調和的バランス感覚をもつ稀有なビルダー、柳サイクル
千葉県に工房を構えるハンドメイドビルダー・柳サイクル。
オーダーフレームを作るならここだ!と長年想いつづけたビルダーさんです。

伝統的ジャパニーズビルダーの系譜に連なる古き良き美学を大切にしながら、進化し続ける欧米中心のトレンドも見据える広い視野。
顧客のニーズにこたえる柔軟さと、筋の通らないことは避ける頑なさ。
自転車オタク的熱量と、一歩ひいて俯瞰できる客観性。
「重厚さ/軽やかさ」
「こうじゃないといけない/こうじゃなくてもいい」
これらのバランス感覚が独自の美学のもと調和している稀有な存在だと思っています。

シーソーのように物事と物事の間でバランスをとること、それはとても難しいことです。
確かな(ようにみえる)ものに寄りかかってしまえばどんなに楽でしょうか。
レースバイクにしても、趣味性の高いクロモリバイクにしても、予定調和的な“正解”が決まってしまっている状況にも同じことが言えます。
コンポのグレードとか、
エアロ効果により何W削減したかとか、
ヘッドパーツがどうとか、ハブがどうとか、トップ選手が、あるいはおしゃれな人が乗ってるとか。
もちろんそれぞれ大事なトピックです。
だけど結局のところ、単なるいち構成要素に過ぎません。
権威的なものにただ寄りかかるのではなく、いいものは取り入れた上で、乗り手まで含めたあらゆる要素とひとつひとつ丁寧に向き合う。
そうして生み出される柳サイクルの自転車たちは、手垢のついた「正解」とはちょっとズレているけど、どれもこれも美しい。
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リアルサイクリング、リアルバイク
オーナーでありビルダーである飯泉さんがこだわり続ける“サイクリング”という軸も柳サイクルを語る上で欠かせない要素。
交流のあるtade qui細川さんの言葉を借りるなら「ハーコー」な飯泉さん。
長身に地下足袋(!)というスタイルで駆けていく姿が絵になります。
自らの遊ぶフィールドを知り、それに合う自転車を考え、作り、試す。
いかに使うか、そのリアリティを大切に自転車を作り続けておられます。

工房にお邪魔した際も、試乗車のQUIETをお借りし、飯泉さんのお店周辺の定番コースをぐるりアテンドしていただきました。
急峻な京都と比べ平坦に見える千葉の平野ですが実は細かいアップダウンがあります。
柔らかい土壌が水の流れで細かく削られ形作られた谷津と呼ばれる地形だそう。
土の色や、植生、陽の光すらも京都とは少し違う。
こんなことも自転車で実際に地面の上をなぞることで初めて体感できること。
刻一刻と変化する路面と勾配を縫うように、名も無き道と道を繋ぎ、走る。
これは、私の大好きなひっそりサイクリングそのものです。

素敵ライド過ぎて乗車中の写真が一枚もありません… 写真はお借りした旧バージョンのQUIET
想像以上のバラエティに富むライドシチュエーションの中、上りでは芯を持って進み、砂利道の下りでも32C程度のスリックタイヤとは思えないくらいの安心感としなやかを感じさせるQUIET。
作られた理由がこのフィールド、この遊び方とともにあることがよく分かります。
そしてこの自転車で京都の山々で走ったならとどうなるんだろうと想像してしまったら…
もう止まらず、その場でオーダーしてしまっていました。

店内に飾られた作品、巷を賑わすアートユニット・GHOOOSTのもの。柳サイクルと非常に関係の深い方々。
柳サイクルに集う顧客もまた「ハーコー」ばかり。
明確なビジョンを持ちながら、既成概念の枠内では収まりきらない人たちの思いを飯泉さんが汲み上げて具現化された、分類不可能なバイクたち。
自分の遊び方以外にも興味と理解を示し、それぞれのサイクリングを満たすギアを作りたい、そのためのデータを積み上げたい…そんなプロ目線を感じます。
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GHOOOSTのバイクは柳サイクル謹製。お二人ともQUIETにも乗っておられます。
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超ハードコア山サイを嗜む醍醐漫氏の超ハードコアな要望が詰め込まれまくった山岳決戦兵器・JAGER。当時ブログで見て以来柳サイクルに恋焦がれる日々。

独自の世界観を持ちながら、あくまで地に足ついた存在。
この繊細なバランス感覚こそが柳サイクルの魅力であり、私がずっと求めていたものなのです。
YANGICYCLE QUIET とは?

さて、柳サイクルを代表するモデル、 QUIETとは何なのか。
まずは上のステートメントを読んでいただきたい。
六〇年代から七 年代にかけて、一部の若者たちのあいだで広まった「クワイエットスポーツ」と呼ばれるスポーツの概念がある。
「クワイエットスポーツ」は、勝敗やタイムにこだわるスポーツや、団体競技とは異なるコンセプトから生まれたスポーツだ。
燃料や動力を使用せず、自然やそのその場の環境と対峙しながら独力でおこなわれる、バックパッキング、カヌーイング、スキーツーリング、そしてバイキング (サイクリング) 等がこれにあたる。
ヒューマンパワーだけを頼り頼りに行われるこの新しいタイプのスポーツが、ある時期に多くの若者から支持された背景には、当時の社会状況が影響していることは容易に想像がつく。
(中略)
様々な弊害を生みだした社会のシステムに深く絶望した若者たちは、体制に異議を唱えるだけでは取り巻く状況を変えられないことを悟り、自分自身の生き方を見直すことから新しいライフスタイルを確立しようと考えた。
そのための具体的なアクションのひとつが「クワイエットスポーツ」だったのだ。
…私が感じていたスポーツへの違和感、そして求めていた内省的な自転車との向き合い方というものは、まさにこのクワイエットスポーツ、なのかも。
今から半世紀も前の若者たちが抱いた理想の社会のヴィジョンは、あまりにもナイーヴで、もはや色あせた夢に思えるかもしれない。
僕は社会のシステムを変えたいたいなんて大それたことは考えたこともないが、自身を取り巻く様々な状況に左右され過ぎず、依存し過ぎず生きたいと考えるならば、
彼らが実現できなかった理想のヴィジョンの再生を試みる価値もあるんじゃないか。それには僕たち自身を変革することから始めなければしばならない。大人たちが作った常識の枠から解き放たれて、僕たち自身が新しいマインドとスピリットを持った人間へと生まれ変わる必要があるのだ。
ああ、言いたいことが全部詰まっている。
自転車に乗ることは、自分なりの反骨精神みたいなものの表明でもあったことを思い出しました。

QUIETをスペック的な面から簡潔に言うならば、700x35C程度のクリアランスとカンチ台座を備えたリムブレーキツアラー/オールロード。
細身のチュービングがオーセンティックなクロモリフレームらしさを漂わせつつ、ハンドル位置の高さ・ヘッドチューブの長さが、いわゆるクラシカルなクロモリロードとは全く異なる存在であることを主張します。
タイヤクリアランス等はシクロクロス的なスペックではありますが、反応性重視の高重心なCXに比べQUIETはBBドロップが大きく取られた低重心設計。
懐古趣味的ツーリング車…ともまた違う。
スポルティフやランドナーなどとは目的意識を共有しているけれども、定型化したスタイルに収斂させることが狙いでもありません。

既存のカテゴリーに収まりそうで収まらない。
ほとんどのスポーツバイクが、“非クワイエットスポーツ”的発想のもとに生み出されていることを思えばそれも当然のこと。
グラベル以降の現代のライドスタイルに合致させつつ、非競技志向(UCI規定とかエアロとか私とは縁の遠い話です)。
軽快で、しなやかで、走ること自体の喜びを加速させてくれるような一台。
私にとっては、これこそが“ピュア”ロードバイク。
レースという外部事情を排し、ただシンプルに道と向き合うためのバイクなのです。

過度な剛性を省いたしなやかなフレーム
クロモリ=しなやか、という構図がありますが、高剛性化を続ける現代のほとんどのバイクは必ずしもそれに当たらない気がしています。
特にディスク化以降、往年のクロモリらしいしなやかさを味わえるバイクは非常に稀。
QUIETに使用されるパイプは丹下 Champion No.2を基本とする細身のチュービング。
レースではなくツーリングに最適化され、長距離を乗っても疲れにくく、ダートでも振動を抑えてくれます。
ふにゃふにゃで進まない、なんてことは決してなく、粘りと心地よいバネ感でスルスルと走るバイクです。

30~35C想定のちょい太タイヤ。グラベルバイクではないから、これでじゅうぶん。
レーシングロードも随分タイヤが太くはなってきましたが、QUIETはさらにもう一歩だけ踏み込んだ設定。
ひっそりサイクリングで想定される道は滑らかな舗装路だけとは限りません、むしろダートはつきものです。
QUIETが想定する30~35Cというタイヤは、ロードバイク的軽快感に軸足を置きつつ、荒れた道もいなす余力を持つ絶妙な落としどころ。

もちろん、全力でグラベルを遊び尽くしたければもっと太いタイヤがいいのは間違いありません。
でも、これでじゅうぶん。
QUIETはグラベルバイクではなく、あらゆる道と向き合うサイクリング車です。
ただ、未知の道に踏み込む勇気を与えてくれればそれでよし、過剰な悪路走破性能は必要ありません。

BBドロップ78mm、低重心設計と長いホイールベース
非常に低いBB位置とロングホイールベースも特徴の一つ。
ビビッドな反応性が味わえる高ハイトBB車(シクロクロスなど)のようなわかりやすい味付けではありませんが、
「ダルい」自転車ではなくあくまで軽やか。
いわゆる「インザバイク」なフィーリング、フレームの中に自身が深く入り込み、一体となって駆けていく感覚は病みつきに。
高出力のダンシングこそ得意ではありませんが、懐深く構えグッグッと踏み続ける登りが心地よい。

この懐の深さとフレームのしなやかさは下りやダートでも効きます。
35Cタイヤとは思えない程に恐怖心がなくなめらか。
29erクラスの太タイヤのFargoから乗り換えても違和感がないほど。
ただし、ペダルヒットには気を付けねば。

高いハンドル位置が生み出す豊かさ
ほとんどのサイクリストがレーサーでもないのに不自然な前傾姿勢を強いられています。
QUIETの高いハンドル位置は、荒れた道でも落ち着いて処理できる余裕と、
より日常の延長に近い自然な体の使い方が出来ること、
そして、視野を広げ、周りの風景に集中できる、よりよいサイクリング体験のためにあります。
リラックスしてハンドルを握ると見えていなかった景色に気づきます。
数ワットの空力向上は、本当にその体験を失ってでも得るべきものなんでしょうか?
そして、アップライトポジション=ゆったり・遅いというのもちょっと違う。
ハンドル位置は高いですが上体の力がしっかり使えるよう、トップチューブはやや長めに設計されています。
丹田に力を込め、ペダリングごとに前に進む感覚は、紛れもなく“走るための自転車”のフィーリング。

また、QUIETと相性の良いクラシックな丸ハンは、現在主流のコンパクトハンドルより深い前傾をとることもできます。
ブラケット、肩部分、下ハン、バーエンド。ポジション変動によるダイナミクスレンジがより広くなるのです。
リラックスポジション「も」取れるというだけのこと。

長いヘッドチューブは、ルックス面にも好影響。
寸詰まりになりがちな平均的日本人サイズでもゆとりあるフォルムとなり、独特の車格感を演出します。
個人的意見ですが、ポジションを低くできるようにヘッドチューブが短く設計された自転車で楽なポジションを求めた結果、
コラムスペーサーを積みまくって首長竜になってしまっているのって、設計と用法の乖離そのものだと感じてしまいます。
なぜか首長竜前提で設計されている人気ブティックブランドもありますが…なぜ?
ブランドロゴがなかったとして、そのフレームのシルエットだけでかっこいいとはなかなか思えないような気がするんですが…
日本人サイズあるある、トップとダウンチューブがヘッド付近でくっついているのもできれば避けたい。
となると、大概56とか58の高身長サイズじゃないと理想的フォルムにはなりません。
そんな中、マイQUIETは身長173cmでもこの車格というのが自慢です。
ステムとシートポスト出代はできるだけ長く、ハンドル位置はできるだけ低く、みたいな御堂筋くんスタイルラブな人には受け入れがたいシルエットかもしれません。
でも、それって結局競技用ロードバイクの世界で形成された価値観。
そろそろ解放されてみてもいいのでは?
美しく。さりとて華美でなく。徹底的に実用品であるからこそ宿る用の美。

あえてフィレット処理せず、残された手仕事のあとが美しい
TIG溶接やラグ組ではなく、ロウを盛り上げてパイプ同士を接合する、ラグレス溶接で作られる柳サイクルのバイクたち。
美観を重視する高級ハンドメイドバイクでは、盛り上げたロウを研磨し、パイプ接合部を滑らかに見せるフィレット仕上げが定番です。
QUIETも以前までフィレット仕上げとされていましたが、現行バージョンではあえてロウ盛りが残されたままとなっています。
床の間に飾るためのものでなく走るための道具、ならばわざわざ手間のかかるフィレット仕上げにまでする必要はないという結論。
このことがむしろ、「工芸品のよう」と形容される、装飾的で華美な床の間バイクとは、ベクトルの違う手仕事の美しさを生んでいます。

生々しい溶接の跡に加えて、手作りの真鍮ヘッドバッジ&シリアルナンバー、手描きロゴの存在もアクセント。
各所に残された作り手の痕跡を、触覚性を持って辿っていくワクワクするような体験。
タッチが見えなくなるまで塗り込められた古典絵画的ではなく、近現代絵画的、
荒々しく残されたタッチがむしろ、制作時の絵筆の動きをリニアに追体験させることとも重なります。

必要なものを、必要なだけ。
オプションで設定された小さなフロントラック。
飯泉さん曰く、「一泊くらいまでのツーリングならスタッフサック一つで充分事足りる」、そのための最小限の積載スペースです。
その他はとりあえずダボ穴まみれになりがちなグラベルバイクとは違い、DT&STのボトル用ダボくらいしか備えられていません。
過ぎたるは及ばざるがごとし。
そんなミニマリズムがバイク全体に凛とした緊張感を与えます。
35C程度が限度となる控えめなタイヤクリアランスについてもおなじこと、無暗に隙間が空いて間延びしません。
キャリア・フェンダーダボすらなし、ただしこれは希望すれば追加可能。
必要なものを、必要なだけ。
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逆に言うと、もっと必要な人は好きなだけ。
ハンドメイド、そして乗り手のサイクリングスタイルに寄り添う柳サイクル故に、アレンジは柔軟。
フォークブレードにダボ穴を追加する例も。
ただし、ここはやはり盛ればいいってものじゃない。
明確なビジョンを持ち、必要なものを、必要なだけ。

ハンドメイド・オーダーフレームゆえのアレンジ
ヘッド規格は1″スレッド or 1″アヘッドから選択可能。
個人的にはルックス・使用感的にアヘッドをチョイス。
ちなみにこの1″ステムも柳サイクル謹製。
シムを噛まさずスマートな仕上がり。

スローピングフレームに上向きステム、クロモリ的「マナー」な組み合わせではありませんが、これがやりたかったんです。
憧れのブルースゴードン的スタイル、その意図を飯泉さんに伝えると即座に「あれですね」と汲み取っていただけたのも嬉しかったポイント。
Yanagicycle QUIET|価格等詳細
柳サイクル QUIET
販売価格:¥280,500-(税込)
フロントラック付き
販売価格:¥308,000-(税込)
| フロントフォーク | 1”スレッド or アヘッドクロモリフォーク | |
| ブレーキ | カンチブレーキ or ミニVブレーキ | |
| ヘッドセット | EC30 JIS 1” | |
| パイプ | TANGE Champion No.2 | |
| シートポスト径 | 27.2mm | |
| FDクランプ径 | 28.6mm | |
| 車輪固定 | クイックリリース | |
| BB | 68mm JIS | |
| 想定タイヤ幅 | 700 x 30_32C(泥除け装着時),35C | |
| 小物 | 泥除け、Fラック装着可、チェーンフック、リアライト用ダボ | |
・1コート、ソリッドカラーの塗装代込み(カラーによりアップチャージあり)
・ダボ穴追加等応相談
・納期3カ月~

参考までに、身長173cm、角田のバイクのジオメトリーです。
基本となるジオメトリーテーブルは存在しますが、コンセプトを崩さぬ範囲で微調整カスタムオーダーも可能とのこと。
ご興味ある方はぜひ一度ご相談ください。
まとめ

組み上がったQUIETのひと漕ぎめ、それはまさに、初めて買ったロードバイクの初期衝動を思い出させるような「どこまでもいける感」。
心から賛同できる、静かに、柔らかく尖った「クワイエットスポーツ」コンセプト。
クラシカルで、でもちょっぴりへそ曲がりで、モノとして愛おしくて仕方ないルックス。
こんな自転車に出会えたことが嬉しくてうれしくて、幸せです。

…さて。
勘のいい方はお気付きかもしれません、このブログ内、微妙に仕様の違う2台のQUIETの写真が混ざっている事に。
この2台、フレームジオメトリ―は全く同一。
ただし、そこにはビルダー・飯泉さんの飽くなき探求心が込められた、“ある大きな違い”が存在しています。
はてさて、その違いとは。
次回ブログをお楽しみに。
text: カドタ
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