速いスピードで遠くまで行けるロードバイクのメリットはレーサーだけではなく、あらゆる人にとって恩恵のあるもの。

純粋に速く走るため、レースのための機材である、という考え方がまだまだ主流ですが、それだけでは正直もったいない。

「ただひたすらに軽く速く」「ロードバイクってこうじゃなきゃ」そんな枠組みから解き放たれた途端、まだまだおもしろい遊び方ができることに気付きます。

キャノンデールが目指したのはグラベルロードのフィールドすらも視野に入れつつ、ロードバイクの可能性を最大限まで拡張すること。それがシナプスです。

“Synapseはもっとも完成されたロードバイクかもしれません。しなやかで快適。軽くて速い。あらゆるものが統合され、ふところが深く、様々なジャンルの路面で迷うことなく乗れるはずです。これは、ロードレースで表彰台を狙う疾走感と、グラベルバイクがもつ冒険心の絶妙なバランスです。私たちがバイクライドに求めていた全てが詰まった1台です。”

メーカーサイトより引用

はたしてその実力とは？？先日行われたキャノンデール展示会にてじっくり眺めて聞いて試乗してきました！

-目次-
・サイクリングを楽しむためのロードバイク
・サイクリングをより安心・快適・便利に！未来志向の充実装備
・まとめ

サイクリングを楽しむためのロードバイク

Synapse Carbon1 RLE
¥1,320,000

アルミフレームで名をはせたキャノンデール社の初めてのフルカーボンロードがSYNAPSE。

路面状況の悪いクラシックレースで実績を積みながらアップデートを重ね現在５代目！長い歴史を誇るモデルです。

快適性・振動吸収性を重視したエンデュランスロードではありますが、あくまでレーシングモデル、だったのですが、この5代目でがらりと変わりました。

レースバイクとしての血統はしっかり引き継ぎつつ、レーサーだけではなくあらゆるサイクリストのためにより幅広い用途に使えるバイクに進化。

Synapse Carbon 3 L
¥429,000

使用フィールド

どんな路面でも、上りも下りも、多少の未舗装路もOK

特性

快適、ハンドリング、長距離ライド

 

Road Reimagined＝ロードバイクを再解釈・再構築する、といった意味でしょうか。

これまでのレース機材という視点ではとりこぼしてしまいがちな、サイクリングを「楽しむ」ためのスペックをしっかり詰め込んだ意欲作。

※メーカーサイトはこちら

まずはそのタイヤクリアランス。

標準で700X30Cタイヤ、マックス公称35C。タイヤによっては38Cも装着可能な圧倒的ワイドクリアランス。

一昔前のロードバイクなら700ｘ25Cですら入らなかったこと、シクロクロスバイクでも38Cでギリギリというものが多いことを考えるとその規格外の懐深さがおわかりいただけるかと。

太いタイヤは抜群の安定性と快適性を発揮。

初心者でも扱いやすく、安心・快適なサイクリングが楽しめます。

そして、もっともっと太いタイヤを履けば、グラベルロードに早変わり！

グラベルロード以降、多くの人が未舗装路を走る楽しみを知ってしまいました。

ただ特に日本の環境では林道までのアプローチが遠く、鈍重なグラベルバイクだとしんどいのもまた事実。

シナプスが提案するのはオンロードで長距離を速く快適に走りながら、道すがら見つけた面白そうな未舗装路にも飛び込んでいける様な新しいサイクリングのカタチ。

あくまでロードバイクでありながら、グラベルロードのフィールドすらも脅かす圧倒的万能性。

逆に脚力もテクニックもありオンロードでのスピード感を求める方は28Cあたりのタイヤを履けばいい話。

Synapse Carbon1 RLE
¥1,320,000

そう、恐ろしいのはロードバイクとしても十分に「速い」バイクであること。

近年の空力重視のトレンドにもしっかりコミット、エアロ化を果たしつつ重量はほぼ同じ。

試乗した感想としては、とにかく「なめらか」。

安定性重視の低重心設計により、同社のSuper Sixのようなパキパキとした加速感こそありませんが淡々とペダルをこぐうちにいつの間にか進んでくれているような印象。

初めて乗るバイクなのにハンドリングにも違和感がなくしっくり馴染み、路面に吸い付くようにスルスルとスピードが上がっていきます。

「ああ、ええなあ…」と思わず声が漏れます。

カーボンバイク特有の嫌な硬さも感じず、普段クロモリバイクに乗る事の多い僕たちにとっても好印象。

シートチューブ長を短めにし、さらにシートステーをドロップさせることによってシートポスト・シートチューブをしならせる構造とのこと。

快適な乗り心地と路面に吸い付くような走りはこのおかげでしょうか。

シートチューブ・シートステーの接点にピボットを設けてよりフレックスに設計、マイクロサスペンションとして機能させているのがTOPSTONE CARBON。

そこまでのしなりはないもののシナプスにも充分なポテンシャルあり、グラベルでの安定性にも期待が持てそうです！！

～CANNONDALEについてのBLOGはこちら～

サイクリングをより安心・快適・便利に！未来志向の充実装備

CANNONDALEがサイコン大手GARMINとの協業によって生み出したSMART SENSE（スマートセンス）システムに対応。

簡単に言えばサイコン・スマホ・ライト・レーダーなど電子機器を統合して管理できるシステム。

ダウンチューブにマウントするバッテリーから全ての電子機器への給電が可能。

電子機器もだんだん増えてきて一つずつ充電するのって結構手間なこと。

車におきかえて考えたら、カーナビとかライトとかそれぞれに一個ずつバッテリーがついていて、別々に操作・管理しなければならないとしたらそれはもう大変おかしな話なワケで。

一つの乗り物の電源を一括で管理する、これこそ自然な形の様に思います。

リアライトと一緒になっている黒い部品がレーダー。

車の接近を感知しライダーに知らせてくれます。

サイクリング中、一番のストレスと言えば車との共存。

そのストレスを軽減し、ドライバーもライダーもお互い安心して行き交える仕組みです。

モビリティとしての立場をしっかり考え、その安全性・使い勝手・地位向上にコミットしてくれる発想って、レース主体のロードバイクでは無かったものですよね。

Synapse3
¥160,000
お求めやすいアルミモデルもラインナップ！

フェンダー・キャリアの取付はもちろん、トップチューブ・ダウンチューブ下にもダボ穴あり、荷物の積載にしっかり対応。

グラベルバイクではよくあるけどロードバイクにはあまり見られない特徴。

これもレースでは必要ないけどロングツーリングではあったら嬉しい。

キャノンデールの考えるサイクリングの楽しみ方が垣間見えるポイントです。

まとめ

わかりやすいバイクではないかもしれません。

ひたすら軽く速く！といった既存のレースバイクのフォーマットをいったん脇に置いて、

サイクリングを楽しむために本当に必要なのって何？と考えた時、突如輝きだす不思議な一台。

実際サイクリングの盛んな欧米ではピュアレーシングモデルのSuper SixよりもSynapseの需要の方が高いそう。

やはりあちらの方々は自分自身を喜ばせる方法をよくご存じで。

心拍計とにらめっこして自分のポテンシャルの限界に挑むのも楽しいけど、そういう人ばかりではないはず。

景色を楽しみながら流しても気持ちがいいし、やる気になって踏めばぐいぐい進んでくれて。

ママチャリでは考えられないような遠く遠くへスイスイと。

道すがら現れる荒れた路面にも恐れる必要なし、むしろシナプスの底力を試す絶好の機会。

そんな遊び方が目に浮かびます。

やりたいことに制限を設けず、ひたすらストレスなく。バラエティ豊かなサイクリングに集中できる、そんな環境はキャノンデールが実現してくれました。

あとは計画をたてて漕ぎ出すだけ。

これこそホビーサイクリストが手にするべきロードバイクの未来かも！