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【Newモデル】商売道具は自転車です【GROWN BIKE RAT】

2025.09.28 BLOG , eirin丸太町店 , GROWN BIKE (グロウンバイク) , MTB , サイクルハテナ(eirin丸太町店別館) , 商品紹介 , 車種別紹介

こんにちは!スタッフの那須です🍆

 

当店でもおなじみ「GROWN BIKE」から、新たなモデルが発表されました。

その名は「RAT」。

80s/90sのATB(オールテラインバイク)を独自解釈し、最新の規格とミックスして生み出された「Hey Joe」は既にご存知の方も多いかと思いますが、今回はさらに深層へ迫った26インチ/QR規格で展開がなされることになりました。

 

一足先に試乗車をお借りして日常使いにも当てがってみましたので、スペックと共に個人的な感想をつらつらと書き起こそうと思います。

– 目 次 –
          1. 「ネーミング」
          2. 「名車」
          3. 「良い塩梅」
          4. 「器の大きいバイク」
          5. 「手の出しやすさ」

ネーミング

RATというプロダクトネームを耳にして、まず初めに浮かんだのはギターのエフェクター。

リョウタロウ氏のことですから、「ぜーったいにネズミのことじゃないだろうな…」とは思っていたのですが…。

この記事の構成を考えている時にたまたま目にしたリョウタロウ氏のインスタポスト、もうまんまでした。

 

 
 
 
 
 
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Ryotaraw Taniguchi(@ryotaraw)がシェアした投稿

中学生のころ、友達のエフェクターボードに親父が使っていたというRATが載っていた時はびっくりしました。

中学生の耳なんてクリーンか激歪みの二択でしか判断できませんでしたけど、あの黒い筐体にでっかく「RAT」って入ってたのはものすごく…こう、良かった。

もちろん使わせてくれませんでした。ちなみに、今も現役なのは借りたまま仲違いして返し損ねた、その子のブルースドライバーです。


名車

話が逸れました。

よく「知人・家族から譲ってもらった自転車(ATBやらロードバイクやら)を直して欲しい」という、いわゆるレストアのご依頼を頂きますが、自分があと30年自転車屋をやるとして、30年後に同じような理由で持ち込まれる自転車があったとしたら、それはこのRATなんじゃないかなー、と思ったり。

 

どこにその要素が?と問われると難しいんですが、そう予感させるに至った理由はやはり、トラディショナルなフルリジットのフレームワークと、原点に立ち返り、ATBを見つめ直すことで採用された、この先も絶対に世界から消えないであろうオーソドックスなHEの26インチ。

「26インチのATBならどこにでもあるやろがい!」という声が聞こえてきそうですが、これをGROWNというブランドがプロダクトとして世に出すというのがポイント。右向け右の市場トレンドに惑わされず、でも「昔は良かった!」な懐古主義にもならない、本当に自分たちが良いと思ったものだけを作るGROWNが製作するからこそ、次の世代へも受け継がれるんだろうなぁと思わせるのです。

僕個人の「残ってほしい」とか「残さなきゃいけない」というエゴの話じゃなくて、自転車屋という仕事を通してRATと対峙した時に出てくる、自然な感想なのです。

これは、もしかしたらHey Joeでも難しいことかもしれない。

むかーしむかし、かっこいい自転車と言えばまずMTB(ATB)だった幼少期の僕。

近所のおじさんが何気なく乗っていたリッジランナーやマウンテンキャット、マディフォックス、ちょっとお金持ちならロックホッパーやスタンプジャンパー、シングルトラック。

憧れでした。同じおじさんになった今見ても、シンプルにカッコいいと思う。

26erとして世界各国で再注目されているのを目の当たりにすると、僕の目に間違いはなかったし、当時それを買って乗っていたおじさんたちのセンスにも脱帽します。

いわゆる「名車」と呼ばれる自転車たち。いつか、RATもここに食い込んでくるはず。なんとなく、そんな気がします。


良い塩梅

 

もちろん、歴代の名車たちをただ真似るのではなくて。

メインパイプにはTANGE CHAMPION No.3を採用し、無駄はそぎ落としつつも、実用性を重視してディスクブレーキは取り入れたり、ナウいダボ穴の配置を施したり。

見えないところで言えば、実は650bに対応していたり。足しすぎない、引きすぎないを絶妙な塩梅で。

プロデューサーからビルダー、アンバサダーまでもが顔を合わせてとことん話し合ったからこそ実現できた、ちょうど良い仕様になっています。

 

今回は新たな試みとして完成車パッケージも用意されますが、秘めたポテンシャルはあえてそのまま、というのも乙だと思います。

パーツの選定にも抜かりはありませんので、素組みのままボロボロになるまで乗るのが個人的にはイチオシかなー、なんて。

フレームでご購入される方は、ガレージやコンテナの中で眠る無数の「持っているだけのパーツ」たちを叩き起こし、小難しい互換性なんか全部無視して無理くり突っ込んで乗るくらいが丁度良いんじゃないでしょうか。


器の大きいバイク

(🍆の身長は165cm、サイズMで少し大きめです。乗るならサイズSかな?)

何に楽しさを感じるかは人それぞれだとは思いますが、スピードも時間も捨てて、ただ何も考えずにペダルを回したい人の心を震わせるのは必至です。

実際に、通勤に数回使った僕は、もう既に虜になっていますよ、ええ。

もちろん、高性能のパーツで組めばめちゃくちゃ速くて、めちゃくちゃ快適な自転車に仕立てることはできるんですが、このRATも含めてGROWNのバイクは肩肘張らず、気を遣わなくても良い温度感で付き合うのが一番。

パッとまたがって、スッとペダルを踏んだ時に、いつも「ふふっ、たーのし!」となれるくらいで。

実際に、写真のほぼノーマル状態で楽しいんですからね。もうこのままで良いよ。

 

当時のATBに乗っていたあのおじさん達の中で、レースに出るとか、一秒でも早く走るとか、そんなことを考えていたのはごく少数で、多くはカッコいい自転車に乗ってみたいとか、サイクリングやってみるか!という好奇心だったはず。

RATはそんな好奇心のみで乗り出しても大丈夫な、器の大きいバイクに仕上がっています。


手の出しやすさ

完成車が18万円台、フレーム単体では9万円台となっており、かなりのバリュープライス…と思えるのは自転車屋だから。

一市民として見れば、決して「安い」とは言えませんが、ほんの少しの覚悟と、ちょっとだけ頑張って稼いだお金で手が届く価格帯と言うのは、当時のATBにも通じるところがあります。

いろんな物の値段が高騰している現代において、このスペックでこの価格はかなり凄い。

 

リョウタロウ氏もおっしゃっていますが、なんやかんやで周辺の装備も揃えると高くついてしまう自転車という乗り物。

ユーザーの「なるべくリーズナブルで、でもカッコ悪いのは嫌だ!あと、ちゃんと気持ち良く走ってくれ!」という無理難題を突っぱねるのではなく、

持っている手札全てを駆使して実現しようとする姿は、自転車屋で働く僕としても見習わなければならない姿勢だなぁと改めて思いました。

 

RATは、ずっと「残っていく」バイクになることでしょう。

あの子のエフェクターボードに乗っていた、「RAT」と同じように。

 

price Frame set ¥99,000
Complete bike¥184,800(tax inc.)

(写真は試作段階のものです。実際に販売されるものとは仕様が異なりますのでご了承ください。)

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